創業補助金と小規模事業者持続化補助金
創業補助金と小規模事業者持続化補助金、いずれも採択者が発表となりましたね。
(創業補助金はこちら、小規模事業者持続化補助金はこちら)
私関係では、前者が3件中2件、後者が4件中3件のご採択となりました。
採択された皆さま、よかったですね。
残念ながら、1件ずつ、選に漏れるという結果となってしまいましたが、そのいずれも、事業自体はとても楽しみなもので、既にお客様も増えてきている事業者さん、たまたま補助金の性格にあわなかったというだけ、ぜひ、これからも益々繁昌なさることと、確信しております。
採択案件から、それぞれの採択にあたっての着眼点の傾向が、確かに見て取れる気がします。
創業補助金については、次回の締切が来月末なので別の機会で述べさせていただくとして、ここでは、今月締切の小規模事業者持続化補助金について、述べさせていただきます。
商工会議所分と商工会連合会分とで若干の差異はあるかもしれませんが…
「販売促進のための補助金ではない」ということが、これで明らかになったと思われます。
販売促進のための補助金ではなく、まさに、要項にあるそのままのとおり、「販路開拓等」のための補助金だということです。
まず、この販路開拓が何を意味するのかの解釈のあり方で、その後が大きく変わります。
要項に、<補助対象となりうる取組み事例のイメージ>として、
①販促用チラシの作成、配布 ②販促用PR ③~⑨(以下省略)
と列挙されていますが、どうやら、販路開拓とは、この①~⑨のことと理解してしまっている事業者さんが多いようです。
これらは、単なる手段であって、販路開拓そのものではありません。したがって、販路開拓等につながらないものは、効果の高いチラシであろうがWEB広告であろうが、補助対象とはなりがたいとなります。
「この補助金は、大概の販促活動が対象となる」とおっしゃっておられる士業等支援者さんのお話も耳に入ってきたりしますが、その中には、同様の解釈ポイントがずれていらっしゃる恐れのある方も、決して少なくないのでは?と感じています。
はい、「販路開拓する!」がまずありきなんです。
販路開拓のためには…、そうですね、そもそも開拓すべき販路、言い換えてみるなら、顧客層とか顧客の塊像が明確になっていないと、やろうとしていることが、そもそも販路開拓をしようとしているのかどうかが、曖昧になりますよね?
開拓すべき顧客像を、現場レベルのビビッドさで明確にすること、これが、第一のポイントでしょう。
次に、その開拓すべき顧客層が、そもそも本来開拓するのが妥当or業績面において効果が高いのかが、ポイントになることでしょう。
そのために、顧客ニーズや市場の動向を、これまた現場視点で整理する必要があるのです。
だから、ここで必要なのは、必ずしもSWOT分析ではないと、私は認識しています。
むしろ、SWOTというフレームにとらわれてしまうと、なんか表層的なものになってしまう恐れがあります。
我々小規模事業者にとって、特にお店商売にとっては、環境分析云々より、日々のお客様との接点の中で生じている現象の中からヒントを見つけることの方が、より実務的です。
もちろん、SWOTもいいツールなのですが、とらわれすぎてはいけないということかと。
実際、今回採択された私関係の3件は、いずれもSWOTというフレームワークは使いませんでした。
それよりも、事業者さんと、日々のお客様との接点の中でのちょっとした変化を、聞き逃さないようにしました。3件とも、そこから機会なるもののヒントらしきものを見つけ、必要であれば、それの裏付けとして、いわゆるSWOTなんかでよく出てくる外部環境分析的なものを補足しました(あくまでも、私のやり方ですので、他にも多種多様なやり方があると思います)。
その次のポイントは、「では、その顧客層を開拓するのに、やろうとしていること、方針、手段が適切かどうか」、そして、「それを実現するに足る、これっていうリソースが当社にあるのか」ということかと思います。
で、そのエビデンスとして最も大事なものとして必要になってくるのが、その事業者の、“唯一無二”と言っていい、真のUSP、言い換えるなら、真の強み。
そして、最後になって出てくるのが、商品開発や販促策等の具体的内容ということになります。
この補助金の経営計画書に書くべきこと、抜かしてはならないことは、これらの一連のシナリオです。
一部に、「数値を書かなくてはいけない」とか、金融機関や士業の世界では一般的な中期経営計画的なものである必要がある的な声もお聞きしますが、求められているのは、それよりもむしろ、上記のシナリオだと思います。
以上、あくまでも私の個人的な見解ですが、もしご参考になれば幸いです。
尚、「販路開拓等」の”等”が何を意味するのかはハッキリしませんが…
私は、新商品の開発・新分野への進出じゃないかなと理解しています。
ハイ、あの方の受け売りです。。。
それでは!
PS.ご注意!一部、創業補助金と小規模事業者持続化補助金の併給が、経費がかぶらなければ可能と認識されていらっしゃる創業者さん、認定支援機関さんがあるようです。念のため、創業補助金事務局にも確認しましたが、併給はできませんので、ご注意ください。
というか…これに限らず、なにかイレギュラーなことがあったら、事務局にご相談・確認するスタンスは、大切だと思います。