あなたは何屋ですか?
今日(2月15日)のNHK朝ドラ「純と愛」をご覧になられた方はいらっしゃいますでしょうか?
「里や」を再建しようとする仲間たち、
1.愛君の料理
2.セクシーさんの美容師としての技術
3.お兄ちゃんのマッサージ
をウリにというのは前回までのお話の続き…。今回は、それに、おねえちゃんのアイデアやチュルチュル(はすみ))ちゃんの「人間ジュークボックス」が加わりましたが、その過程で、純は、
「そうか!ここをホテルだと思うからいけないんだ!お客さんが気軽に集まって、そのまま泊りたい時には泊ると考えればいいんだ~!」(若干私の記憶違いはあるかもしれません…笑)
と気づくのでした。「里やはホテル」という業種的固定概念にとらわれなければ、色々発想が出てくるし、メンバーそれぞれのリソースも里やのすごい魅力になると…。
これ、そのまま、理美容サロンにあてはまりますよね。
実際、これまで各サロンをお手伝いする中で、似たような事例に遭遇することが、とても多くありました。
というより…過半、見方によっては大半とも言えます。
私はよく、「散髪屋であって散髪屋でない、あなたならではの散髪屋を考えましょう」、「美容室であって美容室でない、あなたならではの美容室を考えましょう」、、「エステサロンであってエステサロンでない、あなたならではのエステサロン」を考えましょうと、まるで、禅問答みたいなことを関与先さんにお話ししています。そして、それを、ワンセンテンスor短い文章、できれば、何屋という名詞形にしていただくことをおススメしています。
仮に、あなたが巷で俗に言うところの理容店としましょう。
業種的発想の理容店・散髪屋であると自店をカテゴライズすると、
1.全国13万軒の理容店との競争となります。全国はオーバーでも、地域内の数多くの理容店との競争、場合によっては、戦争になります。これは、ともすると、体力勝負(価格競争等)になりやすくなります。
2.競争ですので、差別化を図ることになりますが、あくまでも理容店の発想の中での差別化となりますので、差別化しているつもりでも、消費者にとってはさほど差別化されていると感じられないことがよくあります。コモディティ化が進んだ消費社会、よほどのことがない限り、たくさんのモノ・コトはありふれたものとして、巷にあふれています。
3.差別化はいいかえれば「他のお店とは違う」ということですから、主体は他店となります(はたしてそれで…あなたは楽しいでしょうか?)。
いずれにしろ…とりわけ、チェーン店以外の個店にとっては、少々辛い選択肢ではないかと思われます。「あなたのお店の特徴はなんですか?違いはなんですか?」という問いでよく表現される差別化戦略も…妥当とは考え難いケースも多々あります。
とは言うものの、深く考えることなく、○○屋と表現を変えてみても、それで通じるほど、世の中は甘くないことも事実です。
ここで絶対必要になるのは、「あなたの想い」です。
純も、「おじいのホテル―魔法の国をつくるんだ!」という本気の強いホンモノの想いがあるからこそ、前述の様な発想が出てくるわけであり、そして、それが人の心を動かすのです。
自店のウリを並べる、例えば、広告で訴求するだけでは、人の心は動きません(もちろん、何もしないよりは遥かにいいでしょうが)。
その前に、それらウリを統べるストアコンセプトがいります。
ストアコンセプトとは、「新たな、ならではの、well-being or happinessの提案」であり、お客様があなたのサロンに来なくてはいけない真の理由です。そのストアコンセプトをわかりやすく、かつ、簡潔に表現したものが「○○屋」というカテゴリーであり、商品・サービス・その他もろもろの目に見えやすいモノ・コトは、そこで提供するwell-being or happinessを編集するためのアイテム・手段です。
そして、そのストアコンセプトは、あなたの本気の強いホンモノの想いを実現するための手段なのです。
だから…
あなたの想い・志から導かれた「新たな、ならではのwell-being or happiness」こそが、実は真のUSP(Unique Selling Proposition)とも言えるのです。
商品・サービスの特徴・ウリは、表面的なUSPでしかありません。
そして、主体は、あなたであって、隣のお店ではないのです。
あなたの想い・志は何ですか?
その志の強さは、どれほどですか?
その志はあなた自身ワクワクしますか?
その志を、あなたは語っていますか?表現していますか?
その志は、人の心を動かしますか?
そして、あなたはその志を実現するため、これまで、どんな努力をしてきましたか?そして、今、どんなことをしていますか?
そして…あなたは何屋さんですか?
現代社会、人は…そういったことを、聞きたがっているのです。
もちろん、お客様も、スタッフも…。
ちなみに…私は…
「理美容サロンの社外経営企画室」であり、
「あなたの志実現パートナー」です。
コンサルタントではありません。
あらためて…今後とも、よろしくお願いいたします。。。