あなたのお店を利用する理由が、お客様にはわからない Part 1
だいぶ間があきましたが、「マーケティングはシンプルに考えましょう」の続編。
まず、ひとつ質問させてください。
あなたは何屋ですか?
「何、あたりまえのことを聞いてるんや、美容室(or理容室・エステサロン・リラクゼーションサロン・ネイルサロン等一般的業種名)に決まっているじゃないか!」
と、今思われた方…あなたのお店では、「数ある選択肢(お店・サービス・代替手段)がある中で、あえてあなたのお店を利用しなくてはならない理由」が曖昧になっている、あるいは、お客様に届いていない、結果として、あなたの実力からしたら、本来のあるべき繁盛水準になっていない、場合によっては、苦戦の大きな原因のひとつとなっている恐れが高いと思われます。
私も含めて、理美容サービス業関係者が、きちんと認識しておくべき、とても大切なことがあります。
それは、
「あらゆる理美容サービス・商品は、既にありふれたものになっている(コモディティ化している)」
ということです。
「いや、ウチのサービスは新しいから」とか、「特別だから」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、それらも含めて、「既にありふれたもの」、ひらたく言うと、「あなたのお店、商品・サービスがなくても、別に世の中は困らない、お客様は困らない」というのが現実、そして、そのことを、一旦はきちんと認識することが、まずなすべきことということです。
例えば仮に理容室なら、あなたのお店の他にも、理容室はたくさんあるのです。
別に、あなたのお店でなくても、他にたくさん選択肢はあるのです。今はあなたのお店の常連さんでも、その常連さんは、仮にあなたのお店がなくなっても、多少の不便・感じるところはあるかもしれませんが、別の散髪屋さんを捜して利用することで対応できるのです。
あなたのお店を利用しなくてはならない確固たる理由が、お客様の頭の中にあることが必要ということは、ご理解いただけると思います。
この理由ですが…
あなたのお店が、見込み客・お客様の頭の中で、「(一般的な)散髪屋」というカテゴリーの中のひとつであると判断されたら、あなたのお店は、極端な表現かもしれませんが、全国13万件の散髪屋さんと競争しなくてはならなくなります。少なくとも…かなりの数の散髪屋さんとの競合となってしまいます。価格面等、血みどろの戦いになる可能性は高いでしょうし、そもそも、情報があふれかえっている現代では、「(一般的な)散髪屋」と一度認識されると、あなたのお店の存在自身が、お客様の頭の中では「この世に存在しないモノ」と、今後も見事に消えるとなることでしょう。
必要なのは…お客様の頭の中に、「(一般的な)散髪屋」とは別のカテゴリーを生み出させ、その中に、あなたの存在を置くということです。多くの(特に小規模)サロンに必要なのは、「他店との違い」を強調する差別化より、「リポジショニング」です。
この点、お気づきになられていないサロンさんが非常に多いのではないかと、危惧しています。
ここでのキーワードは…「一見散髪屋、しかして、その実態は散髪屋ではない散髪屋」です。
「わけがわからない」という言葉が聞こえてきそうです。(笑)
大丈夫です、お話を進めていく中で、「な~んだ、そんなことか~」となります。
そして、そのリポジショニングの観点から、「お客様があなたのお店を利用する理由」を見直し、明らかにするのが、
「ストアコンセプトの見直し・明確化」です。
多くの場合、これが最も重要となっています。
「シンプルじゃない」って?
いえいえ、文章にすると難しそうですが、経験上、実際にやってみると「な~んだ、そんなことか~」となったりします(笑)
(Part2に続く…)