伝える
以前、ご紹介したことはあったかとは思いますが…
何度聴いても心がうたれるスピーチがあります。
今は亡き、スティーブ・ジョブズの、スタンフォード大学卒業式でのスピーチです。
理・美容サービス業を営む皆さんは、とても感性が豊かで、そのお仕事の性質上、頭の中に、「絵としてイメージ」を浮かばせる力に非常に長けていらっしゃると、実感しています。
同じことは、理・美容サービス業以外の分野でも、特に、新たな事業を創造しようとなさる方にもあてはまることが多いように感じています。
で、事業をやっていくにあたっては、その「頭の中のイメージ」を、お客様をはじめ関係者の方々に伝わるように工夫していかなくてはならないのですが…
その「頭の中の”絵としての”イメージ」そのもので他人に表現しようと苦心なさっている方も、少なからずいらっしゃるようです。
その“絵”が、一目で伝えたいことを他人にも伝わるようなものであればいいのですが、多くの場合、伝えられる側は、伝える側ほどの“絵”で理解できる感性をお持ちでないケースが少なくなく、結果、本来の価値が伝わらず、お互いもどかしいことになっていることが、非常に多いように感じます。
対お客様然り、対スタッフ然り…
誤解を恐れずに申し上げますと、対金融機関さんについては、お互いが言葉の通じない外国人的感覚となりかねないということは、私も、実務上、少なからず経験しました(笑)。
やはり、他人に伝えるには、わかりやすい言葉の力が必要です。
ところが、だからといって、ロジカルな文章で表現しようとすると…
今度は、最も大切な、“感性”がうまく表現できず、死んでしまいます。
感性は、聞き手の心を動かさないと、言い換えれば、感情を動かさないと伝わらないのですが、ロジックでは、それが困難だからです。
ちょっと脱線しますが、私みたいな中小企業診断士や、公認会計士さん、税理士さんといった、いわゆる士業と呼ばれる方々で、理・美容サービス業を主対象とした活動をされている方が、市場規模のわりには非常に少ないのも、実は、ここらあたりにその要因のひとつがあるんじゃないかなと、私は推測しています。
方や感性表現、方やロジカルシンキング力が有能の証しとされることの多い士業という専門家の方々…お互い、話している言葉が違うという面もあるのかなと思います。
話をもとに戻しますが…
そのコミュニケーションギャップを埋めるのに、この「物語で語る力」は、非常に強力な武器になります。
(ここでいう物語とは、戦略論や知的資産経営あたりで言われることが多い「因果関係でつながったストーリー」ではなく、「感情でつながったストーリー」のこと、両者は、全くの別物です)
ストーリーテリングの力、ナラティブメソッド、ナラティブシンキングを磨くこと、
これからの理・美容サービス業、あるいは、事業を興す方には、必須要件となるでしょう。
では、もうひとつ、スティーブ・ジョブズ関係の動画を…
アップルのデザイン担当上級副社長であり、ジョブズ氏の盟友、ジョナサン・アイブ氏による追悼スピーチ。
万感の思いをこめた、一語の強さを感じることができますね。