ビジネスプラン策定or整理手順
仕事柄、新事業のビジネスプラン、創業にあたってのビジネスプラン策定のお手伝いをさせていただく機会がとても多いです。サービス業系ベンチャー企業の経営企画担当役員としての10年間はもちろんのこと、それ以前のコンサルティング会社時代も、そして、今も・・・。特に最近は、例の創業補助金の関係もあって、その機会が多くなっています。
で・・・、その過程で、「ビジネスプランの策定or整理の進め方」自体についても、アドバイスを求められることがよくあります。
その時は、私が、新たなビジネスを予定していらっしゃるご本人様からご相談をいただいた際、どういうご質問を、どういう順番でさせていただいているかをご説明することにしています。
もちろん、ケースによって多少の違いはありますが、多くの場合、あまり時間的余裕もないことから、まず1回目の業務提供時、下記の様な質問とその回答をもとに、ビジネスプランの全体像を頭の中でイメージしてから、所定の書式なり、事業計画書として書き始めています。
Q1.その事業は、どんなことをする事業ですか?まず概要だけ、ごく簡潔に教えてください。
Q2.その事業は、どんなお客さんにとっての価値があるのですか?言い換えるなら、数ある他の商品・サービスの中から、あなたのその事業をお客さんはなぜ選ばなくてはいけないのですか?その理由を教えてください。
Q3.そう思っているお客さんは、どんなお客さんですか?できるだけ具体的に教えてください。
Q4.本当にお客さんはそう思っているのですか?その根拠を教えてください。
Q5.そもそも、あなたはなぜその価値をお客さんに提供しようと思ったのですか?
Q6.そのお客さんにとっての価値を、あなたはどうやって実現するのですか?ビジネスモデルのどの部分でとんがるのですか?
Q7.あなたはなぜ、その価値を提供できるのですか?根拠を教えてください。
Q8.現在、そして、将来どれぐらいの規模の事業をイメージしていますか?
Q9.どんなことがあっても、必ずやると誓えますか?
Q10.数値計画を組むにあたって、あれこれ教えてください(お金のことも含めて)。
ざっとこんな感じです。
もちろん、それぞれのQについて、更に細部をお聞きはしますが、ざっと整理するとこんな感じになります。
お気づきになった方もいらっしゃるかもしれませんが、この10個の質問の中には、よく言われる「外部環境分析」なるものは含まれていません。もちろん、全くやっていないわけでもなく、必要性を感じていないわけでもありませんが、よく言われる「外部環境分析をして、内部環境分析をして」・・・という、言ってみればSWOT分析から事業機会をというアプローチはいたしません。実務経験上、このアプローチで新たなビジネスアイデアは現実的に生まれづらいと実感しているからです。
経済・社会・業界の分析や、商圏・立地・競合に関する調査も大切なんでしょうが、多くの場合、それより、「その価値って、本当にお客さんにとっての価値なの?」をいかに実証するかにパワーを使ったほうが、より現実的と考えています。
ついでに言うと・・・経営理念に関しても、創業の方には、あまりあれこれお聞きしません。ただし、その事業に対する想いの強さと、その背景の把握を優先しています。そもそも、この時点で経営理念について議論している時間はあまりないことが多いですし、想いが強く、かつ、本物であれば、文章にするのはその後、時間をかけてやれると思っているからです。
それと・・・目の前に事業計画書や補助金申請書フォーマットを置いて、それにそって書き始めることはまずありません。
それをやると、記入欄個々を埋めることに注力することになりがちで、つながりがバラバラだったり、キレイだけど、なんか現実感・迫力に欠けるものが出来上がってしまう恐れがあると考えていることと、そもそも、多くのフォーマット類は、感性勝負の理美容サービス業は無論のこと、新しいビジネスを創造する起業家の右脳の感性も表現しづらく、フォーマットにこだわると、その大事な感性が消えてしまいかねないと考えているからです。最初にお聞きするときは、できるだけ、相談者さんの頭の中にある絵としてのイメージを再現していただくこともやったりします(この点、自分の未熟を感じる時が多々あります)。
「ビジネスプラン全体のうち、どこらへんをとんがらせるか、メリハリは?」といったことを意識しながら、まず全体像をばく~っとですがイメージします。
案外ですね・・・Q2でご回答に窮する方、少なくないです・・・。お答えいただけたとしても、その内容が、他でもよく言われている一般的なものだったり、曖昧だったり・・・。
その場合は・・・少なくとも、それは「準備以前の問題では?」とお話したりします。
で・・・時には、不快な表情をなさる方も・・・(笑)
この場をお借りしてお詫びいたします。
あくまでも、私の進め方です。
もし、ご参考になるようでしたら幸いです。