つよみと顧客価値を混同しないようにご注意くださいませ
よく”強み”という言葉を耳にされる方は多いと思います。
「強みを明確にして、伸ばしていきましょう」 とか、
「強みをしっかり伝えましょう」といった具合に…
強みを明確にし認識することが大切なことは、私も全く異論はありませんが、それを明示したり伝えることの業績向上効果は、少なくともBtoCビジネスでは以前ほど効果は見込めない、というか、あまり期待できないと思っています。
何度も申し上げているとおり、お客様の”買う”という行動を誘因するのは、お客様にとってのハッピー像、すなわち、顧客価値であって、強みやウリはお客様にとって、直接的には関係のないものです。
強みやウリは顧客価値を形成するリソースとしての位置づけであり、したがって、いくら強みやウリがすごくても、それによって形成される価値が、お客様の頭の中で価値として認識されないと、お客様にとっては存在しないに等しいという悲しいことになってしまう恐れも十分あるわけです。
いくらすごいリソースがそのお店にあったとしても、理美容室・リラクゼーションサロンの「癒しの空間です」や、飲食店の「こだわりの食材を使った云々」等は、お客様の頭の中では、もはや価値としては認識され難い時代、というか、何も語っていないに等しいとされる時代です。いくら、お店側がそれを価値だとしても、お客様の頭の中で価値として認識されなければ、価値とはならない、結果として、それを形成するリソースも存在しないに等しいという、とても悲しいことにすらなってしまいます。
こんなことを言うと、またまた諸先輩方・ご同輩方のご不興を買う恐れがあるのですが、強みを明らかにすることを業績向上の柱とする強みアプローチは、今、見直しが迫られていると思います。
強み(orウリ)アプローチから顧客価値創造アプローチへの転換、今、各事業者さんはもちろんのこと、支援機関・支援者にとって重要な課題になっている気がします。