そっか~ブランディングだったんだ~!
理美容サービス業に関係している方はもちろん、B to Cビジネス関連の方におススメの書籍を二冊ご紹介します。
まずはこれ、
『なぜ、日本人はモノを買わないのか?』(野村総合研究所)
野村総研さんが行っている1万人の時系列データをまとめたもので、現代の消費者が劇的に変化している様子が、データを裏付けとして説得力のある形で述べられています。
その中に、調査対象者の70%が商品やサービスを選ぶ際、情報が多すぎると回答しているという調査結果があります。
選択肢が多すぎると、消費者は消費自体をやめる傾向があるというのもよく知られているところです。
これに、私もよく使わせてもらっている総務省のデータ(消費情報量/流通情報量=0.0038%)をあわせると…
消費者は「もう結構です、お引き取り下さい」状態であることがよりはっきりします。
そんな状況下、以前は有効とされていた「ウチのウリはこれです、強みはこれです」アプローチは、やはり、効果があまり見込めないだけでなく、ときには危険とさえなりうるケースもあると言えそうですね。
また、消費者がブランドに求めることの変化にも触れられています。
それによると、現代の消費者がブランドに求めているのは、品質保証とテイストとのことです。
理美容サービス業界ではその性格上、ブランディングという言葉はよく使われているようですが、どうも、イメージ(orステイタス度)アップ、認知度アップという意味で使われてきた、というより現在もその傾向があると感じられますが、そのスタンスは既に消費社会とのズレが生じている可能性が高いということでしょうから、自社・自店のブランディングのあり方の再点検は必要と言えそうです。
そのブランディングという点で「なるほどな~」という感覚を抱いたのがこの書籍。
『エクスペリエンス・ドリブン・マーケティング』(著者:浅岡崇史 氏)
その中で、ブランドが提供する差別化付加価値の変遷が語られています。
それによると、出自保証→プロダクト価値→イメージ価値→ブランド体験価値→共創価値?と変わっているとのことで、共創価値はブランド体験価値の一部と考えられるので、現代のブランディングにおいてポイントとなるのは、ブランド体験価値とのことです。
本文を読むと、ブランドならではの“らしさ・ならでは・テイスト”を軸として、マーケティングはもちろん、事業経営そのものをその軸に統合させていくことの大切さが語られているようです。
この二冊であらためて認識できたことは…
「そっか~、私のご提供業務の主部分は、実はブランディングをご提案していることなんだ~」ということです。
私の業務は、理美容サービス業を主対象としたお店ビジネスという横軸の中で、創業に関連する業務から経営改善計画の策定まで多岐にわたっていますが、そのほとんどの業務において主となっているのが、「このお店ならではの・新たな・お客様にとっての価値=ハッピーを明確化し、それを軸に全ての事業活動を統合しましょう」というご提案とそのお手伝い、まさにこの2冊で言うところのブランディングのようです。
ブランディングというと、デザイナーさんとかアーティストさんとかのイメージが私の中でも強いのですが、私は、自分で言うのもなんですが、オシャレでもないし、むしろダサダサで、自分ではおよそブランドとは無縁だと思っていました。
ブランドの方が、私に寄ってきたようです(笑)。
であるなら、これからは、より確信をもって言うことにしましょう。
ブランドとは、事業の中心となるべきものであって、企画・製造・販売等の事業を構成する各要素、ビジネスモデルの上位に位置するものであって、その強化は、経営上、最優先かつ最重要課題であると。。。
では!