ロジカル思考主導からデザイン思考主導へ!
昨日、とても興味深い報告書を目にしました。
これです。
『国際競争力強化のためのデザイン思考を活用した経営実態調査』報告書
お時間のある時にでも、ご一読なさることをおススメします。
(実物はこちらからどうぞ)
いや~経済産業省さん、いい報告書をだしてらっしゃるじゃないですか!
(実務は野村総研さんですが)
以前からこのブログでも、今の消費社会の変化への適応のためには、特にB to Cビジネス、とりわけビューティサービス業においてはロジカルアプローチでは限界があり(というよりも、むしろ、あまり使えない)、もっと、生活者たる人を核としたアプローチで課題解決を図っていく必要があるということを唱えてきました。
その中で、私は、今後はブランディングエクスペリエンス・デザイニングの観点からの業務体系でお仕事をしていくつもりでいることも、先日、述べさせていただきました(こちら)。
そのベースとなる思考法は、すなわち、言いかえれば、ビューティサービス業の課題解決に適するのは、(ロジカル思考ではなく)デザイン思考だと思っています。
この報告書は、むしろ、製造業をイメージしつつ書かれている様ですが、製造業よりビューティサービス業にピッタリである理由も、この報告書から十分読み取れるものと思います。
ロジカル思考とデザイン思考では、事業計画策定にあたってのアプローチも、根本的に異なります。
その違いを図示したものが、下図です(同報告書P14より抜粋)
創業関係業務に関係している方は、「アッ!」と思うところがあることでしょう。
はい、上図左側「従来のアプローチ」による事業計画の策定は、これまで創業計画で一般的とされてきたアプローチです。今、全国各地で創業スクール等の企画がたくさん行われていますが、おそらく、そのかなりの割合が、依然、このアプローチをとっておられるのではないでしょうか?
結論から申し上げますと、この従来型のアプローチ、もちろん、今後も使えるシーンはあるとは思いますが(ex.報告書的性格の計画、稟議関連書類としての計画等においては、適したアプローチかと思います)、少なくとも、今、新たな価値創造が求められる創業フェイズにおいては適さないと、私は思っています。
とりわけ、ビューティサービス業をはじめとしたBtoCサービス業においては、もはや主役とすべきではないと思っています。
そもそも…ビューティサービス業で創業なさる方々からは、従来型のアプローチに対して「とても違和感がある!」との声を、今までも多数お聞きしてきました。
そりゃそうでしょう。ビューティサービス業で最も大切な能力は、“感じる力”、すなわち感性、どちらかというと、ロジカル思考にはなじみづらいものですから。
ビューティサービス業の方が苦手とされるのも、無理からぬことと思います。
もちろん、ビューティサービス業においても、ロジカル思考は必要ですが、それよりも、顧客価値に直結する感性の方が重要となることについては、「なるほど」と感じていただける方は多いことでしょう。
感性と相性がいいのは…デザイン思考でしょう。
したがって、この点からも、ビューティサービス業の創業計画は、まずは右側のアプローチで組み立てるのが適切と、私は考えます。金融機関提出書類や補助金関連書類等、所定のフォーマットを使わざるをえない場合は、右側のアプローチで組み立てた後、その所定のフォーマットにあわせて書き換えるぐらいが、実務上、使える事業計画となることでしょう。
ひょっとしたら、多方面から、例えば、中小企業診断士の諸先輩方からはお叱りのお言葉をいただくかもしれませんが(笑)、
それでも、来る年は、こういったこともきちんと主張していかないといけない、それも、私のつとめと位置付けてやっていきたいと思っています。
それでは!