美容系サービス業に関する金融機関さんの本音
ホンの少し前まで、私は、企業の財務担当でもありました。早い話が、銀行さんといろいろご相談する直接の担当者でもあったということです。
その間、金融機関の方からよくお聞きしたことがあります。
「正直言いましてね…美容系の事業って、私達には理解しづらいんです。」
今の立場になって後、つい先日もお聞きしました。
「こんなにいい、ステキなサービス、事業なんですよ~って言われても、確かにいいサービスなんだろうけど、何がどうすごいのか、みえないんです。見えないものは…融資の判断もしづらいんです」
「製造業だったら、モノがあるじゃないですか、製品がまだなくても設計図があったり、それを必要としている利用者の声があったりで…、でも、美容系のサービスって、言ってみれば感覚的なもの、感性のもので見えづらいし、感覚って、人によって違うじゃないですか。本当にうけるサービスなのか、わかりづらいんですよね。」
「で、結局、判断の材料は、その方の過去に頼らざるをえなくなるんです。例えば、美容師さんだったら、勤めていた美容室に何年いて、どういう立場で、どれだけお金をためたかとか…」
だいたい、そんな感じのようです。
美容室の場合はまだ生活に密着した、言わば生活必需サービスでもありますのでまだわかりやすいのでしょうが、そうとは言い難いリラクゼーションサロン、エステサロン、ネイルサロン、そして、美容系とは言い難いかもしれませんが、心理的セラピー色が濃いサービスの場合、正直、なかなか判断しづらいようです。
これまでに既にある程度の事業としての実績を残している事業者さんなら、その過去の実績で判断されるのでしょうが、今から創業なさる、あるいは、社会にまだ広く普及していないサービスを新たにはじめようとする場合は、その傾向は特に強まると思われます。
すなわち…言ってみれば、事業者さん側が最もこだわり、ご自分の強み・武器と認識することが多い「感性力」は、評価されづらいという面があるということは、現実の問題の様です。
これは、対金融機関だけではなく、他の支援者、そして、市場に対しても、程度の差こそあれ、共通している問題と認識した方がよいと思われます。
とは言うものの、「なぜわからない!」と憤ってみても何の解決にもならないわけで…。
で、金融機関さんなんかの所定の事業計画サマリーフォーマットや、「事業計画の書き方」といった本を片手になんとかしようということになるのですが、今度は、そのフォーマットに、自分のこだわり、感性をどう盛り込んだらいいのかわからない、あるいは、そもそもフォーマットにその欄がなかったり、本でもあまり触れられていなかったり…。
私はつくづく思うのですが、一般的な事業計画書のフォーマットや策定の仕方は、確かに参考になるし使った方がいいことは間違いはないのですが、そもそも製造業、あるいは、それに近い性格の事業に適したものであって、事業者にとっても、その事業計画書を読む人にとってもベストではない、美容系サービス業ならではの表現ツールが必要と感じています。
キーワードは、事業者側の優れた感性から生じる「感情」、
そして、読む側の「納得」
言いかえれば、右脳と左脳の両方を刺激することかと…
一言で言うと…単なる事業計画書ではなく、「Emotional Business Planning」かと。
そのEmotional Business Planningを構成する有効なツールのひとつとして、先日来ご紹介している「ストーリーテリング」があります。
もちろん、これはあくまでもツールのひとつであり、これだけで事業計画はできませんし、支援者、市場の共感を得ることができるわけではありませんが、とてもとても有効なツールのひとつであることは間違いありません。
美容系サービス業にとっては、必要不可欠ではないか、そうも感じています。
このストーリーテリングに関して、とても参考になるセミナーがありますので、ご紹介します。
「感動ストーリー作成ベーシック講座」(主催:ムジカ研究所、講師:山下由美さん)
http://kokucheese.com/event/index/61769/
会場は東京ですが、参加可能な方には、オススメいたします。
今日は、某リラクゼーションサロンさんのEmotional Business Planの策定の続き、事業者さんの“想い”は強いので、きっといいPlanができることでしょう♪