経営企画室便り
昨日は、発表された新ものづくり補助金が、多くの小売・サービス業事業者にとって、現実的には非常に使いづらい、無理をしてあてはめて計画を策定し実施した場合、逆に経営を圧迫する恐れも考えられるので、よくよくご検討をと述べましたが…
新もの補助の陰に隠れて目立ってはいませんが(笑)、実は、その要項発表を注視している補助金があります。
それは…小規模事業者持続化補助金です。直近の経済産業省HP(こちら)によると、2月27日から募集予定だそうです。
小規模事業者が、商工会・商工会議所と一体となって作成した経営計画に基づく、販路開拓等に取り組む費用を補助(補助上限50万円等、補助率2/3)
だそうで、「商工会・商工会議所と一体となって作成した」という点と、具体的にイメージされている事業がどういうものかによって使えるかどうかは変わってきますが、実務的に、小売・サービス業の小規模事業者さんからお寄せいただくご相談のかなりの割合は、新たな商品・サービスのマーケティングやプロモーションに関するものであり、この補助金がそのためのチラシ作製費用等をイメージしているらしいことから、場合によっては案外使える案件はとても多くなるかもしれないと、少し期待はしています。
チラシ作製だけでなく、WEBサイトの構築も対象となった場合、そのことは更に言えるかも…。
加えて、どうやらこの補助金、雇用増加を伴う場合、100万までの補助となるようで、私が主対象としている理美容サービス業の多くが、事業伸長に伴い雇用の増加を伴うことが多いことからも、注視しています。「新もの補助の対象になる?」といただいたご相談の中にも、実態的には、むしろこちらの補助金の対象となりうる案件は、少なくないのではないかとも予測しています。
まあ、要項が出てみないと何とも言えませんし、またしても期待外れということはありえますが、1000万や1500万や700万といった派手な金額に目をくらませるよりも、よほど地に足がついた、現実的な検討なのかな~とも、今、思っています。
要項が発表されましたら、またご案内いたします。
それでは!
本日、平成25年度補正予算の目玉とされている、「ものづくり・商業・サービス革新事業」、通称「新ものづくり補助金」の募集が始まりました(こちら)。
今回は、商業・サービス業にまで対象が広げられたということで、理美容サービス業の方の中にも、期待する向きは多かったと思いますが…
結論として、多くの小売・サービス事業者にとって、昨年の小規模事業者活性化補助金同様、またしても、肩透かしとなってしまいました。
おそらく、過半数どころか、あくまでも私の個人的感覚ではありますが、9割以上の小売・サービス事業者には非常に使いづらい、というより、事実上使えないと思います(大企業、あるいは、それに近い小売・サービス業は該当するケースは少なくないとは思います)。
特に、理美容サービス業の方々にとっては、“目が点になる”内容となったように感じられます。
多くの中小・小規模小売・サービス事業者の場合、新たな革新的サービスの開発とは、業態の開発になると思います。そこで必要となる投資のほとんどは、機械設備よりも、お店の内装やお家賃、そして、スタッフの人件費になると思います。
昨年まで、同補助金の対象経費は明確に機械等設備となっていましたが、先月公開された同補助金の事業パンフには、商業・サービス業の対象事業例として、レディスシェービングサロンがあげられていました(詳細はこちら)。
このレディスシェービングエステサロン事業…何を隠そう、私が2004年以来当事者の一人として、16店舗の開発に関係してきた事業そのものです。もちろん、2004年に経営革新計画の承認も受けました。
その経験からすると、必要となる投資のうち、機械類への投資は、どうでしょうか、せいぜい100万や200万程度で、あとのほとんどは、内装投資でした。その事業が対象事業として挙げられているということは、ひょっとして、内装も認められる…?
と淡い期待をしていたのですが、本日発表された要項(こちら)を確認すると、やはり、対象となる設備投資は機械設備で、内装は対象となっていません。地域事務局にも、全国本部にも確認したのですが、明確な回答はいただけなかったものの、主旨からすると対象外だろうとの見解でした。この見解のままだと…ほとんどの業態開発は、事実上、対象外となることでしょう。
中小・小規模企業の小売・サービス業で、機械にこれだけ多額の投資をする業態開発って、一体、全体の何割あるでしょうか?
人件費で認められるのも、サービスの開発までであり、せいぜい、お店がオープンするまでのもの、一体、いかほどあるというのでしょうか?
この内容で、この補助金にあてはまるよう事業計画をたてると、多くの場合、様々な点において、無理が生じる恐れが非常に高いと思われます。場合によっては、その無理が、経営に甚大なる悪影響を及ぼす懸念も十分ありえます。
結局のところ、今回のこの補助金の小売・サービス業への拡大は、言い方は悪いかもしれませんが、政策宣伝効果しか実質的には効果が見込めないのではないかとすら感じられます。正直、現場感があまりうかがえない…(泣)
しかし…あのレディスシェービングサロンを具体例として挙げた政策担当者の方に、機会があればお聞きしてみたいものです。「この事業で、さて、この補助金の対象経費となるのは何と何で、いくらですか?その根拠は?」と…嫌われるでしょうね…(笑)
どうか、申請をご検討なさっている小売・サービス事業者の方は、十分すぎるほど十分に、あらためて、じっくりご検討をおすすめします。補助金が、経営を圧迫する事例は、過去においてもよくあったのです。
ただし…今回新たに設けられた小規模事業者枠、これは結構使える事業者さんはありそうとは感じています。
少なくとも、小売・サービス業の「革新的サービス・一般枠」よりは、はるかに実用的と感じます。小規模事業者の方は、1000万とか1500万とかいう金額に惑わされないで、この小規模事業者枠に該当しないかをご検討なさった方が、現実的かなと思います。
その詳細については、機会があれば、いずれまた。。。
では!
前々回ご案内させていただきましたとおり、2月5日、大阪産業創造館主催の起業準備セミナーの一環として、『共感なくして成功なし、物語なくして共感なし~感動ストーリー作成セミナー~』と題して、2時間、お話させていただきました。
当日は、雪もちらつく、とっても寒い日ですが、そんな中でも、なんとビックリ、43名もの方にご参加いただきました。
本当にありがたく、ただただ感謝でした。
私はどちらかというと講師業というよりも、現場実務隊を志向してもいますので(私の言い訳です…笑)、話自体・話し方のレベルは正直言って決して高くはないのですが、そんな私のお話でも、皆さん熱心におききくださり、本当にありがたく思っています。
当日は、(感動)ストーリーテリングが必要性が増している背景についてザッとご説明した後、実際のストーリーをご覧いただき、その後、ご自身の物語づくりの進め方について、概略をご説明させていただきました。
ご覧いただいたストーリーは以下の3つでした。
ネイルスキンケアサロン『Dolphinail』さんのストアコンセプトストーリー。
次に、我が国初の新業態”500縁ギフトショップ”の『ONE Japan』さんのストアコンセプトストーリー。
最後に、美容室『air feel』さんのミッションストーリー。
このところ、製造業等、私の本来の専門分野外の業種の中小企業さんから、立て続けに感動ストーリーづくりのご相談をお寄せいただいています。
背景には、我が国中小製造業の大きな環境変化、課題があるようです。
それは、プロダクトアウト→マーケットインとか、販路開拓云々というものとは次元の異なるものであると思われます。
今後は、その分野にも対応させていただくことになりそうというのが、今、思っていることです。
このところブログ更新頻度があいていて…(汗)
さて、平成24年度補正予算分創業補助金第3回第2次募集分の審査が現在行われていますが、今年分の「創業促進補助金」について、あくまでも私見ながら少し…。
まず、一部に、「(平成24年度補正予算)創業補助金第4回募集があるかも」という見方があるやにお聞きしますが、私はないと思います。
というのは…さる方面からお聞きしたところによると、どうやら、第3回第2次募集に応募された案件数は、全国的にみて、第1回第1次~第3回第1次募集の総合計(6400件弱)を上回っているようです。
一方第3回第1次までの採択数合計は、4,174件、第2創業や海外展開分もありますので、単純に1件当たり申請金額を250万円と仮定すると、既に100億を超えています。
聞くところによると、第3回第1次募集分あたりから、色々な意味で、「ちょっとそれってどうなの?」という案件も増え、一部、いわゆる補助金申請代行コンサルタントさんの中には、問題となりそうなものもあるようで、中小企業庁からも、注意喚起の呼びかけがなされたのは記憶に新しいところです。
こういった状況、そして、予算総額が200億円ということ、それと、既に1月末であり、25年度補正予算も来月上旬には成立させようという動きからすると、第4回目の募集は、まず考えられない、そればかりでなく、第3回第2次分の採択率も、従来と比較して、グッと落ち込む(30%台、場合によっては20%台)可能性は非常に高いと、私は考えています。
で、事実上の次回は…平成25年度補正予算分「創業促進補助金」となるでしょう。
時期的には、補正予算であることから、3月中にはスタートせざるをえないことから、補正予算案が成立後、さほど間をあけることなく募集開始になることは、確実と考えていいと思います。
その募集内容ですが…
一部には、「多少従来とは内容が変わっても大きな変更はないだろう」として、既にセミナーや説明会を開いて、案件獲得営業活動をはじめていらっしゃる会計事務所さん等認定支援機関をお見受けしますが、私は、大きく変更となる可能性は十分あると考えています。
その最大の根拠は、今回は予算総額が44億円、しかも、「市町村と…創業支援機関…」という昨年は見られなかったものに対する補助も含めてであり、事実上、24年度分の5分の1程度の予算額となっていることです。それに、24年補正分第3回で問題となった点を加味すると…
まず、対象者はグッと絞られる等、応募要件は厳しくなる可能性は高いと予想しています。
具体的には…24年度分は、既に事業をしている方でも、従来事業とは全く異なる別の新たな事業であった場合、創業とみなされるケースがありうる等、対象者が広く設定されていましたが、これが純粋な創業者に限定されると予想しています。
それと…24年度分にあった採択基準の「独創性」が、より本来の「新規性」に比重が移ることも予想されます。
さらに…採択基準があがることも、頭においておいた方がいいと思われます。
それと、これはとても大切なことと思っているのですが、「認定支援機関が、計画策定時はもちろんのこと、その後もどうかかわって、どう支援していくか」は、重要視されていく方向性であることも、まず間違いないことと思われます。
お上が掲げる「”1万件の創業”と逆行するのでは?」とお感じになられるかもしれませんが、その主体となる一般的な創業に対する支援策の比重は、融資制度等に移行、補助金においては、補助金で支援するに足る案件に絞るというスタンスがうかがえるのではと、感じています。
少なくとも、昨年後半急増したと言われている「申請代行コンサルタントさん」にとっては、あまり旨みのない、場合によっては、ビジネスとして成り立ちづらい補助金となる可能性は、少なからずあるように感じています(笑)。
まあ、言ってみれば…本来の補助金の姿になっていくということかと。
で、そんな中で、創業を予定し、この補助金への応募も検討されている方は、今、どうすればいいかというと…
当たり前の話でしょうが、1日も早く準備を始めること、
そして…ご自分とあう認定支援機関と、早く出会うことなんでしょうね。
それでは!
皆さま、あけましておめでとうございます。
旧年中は、たくさんの方々に支えていただきました。本当にありがとうございました。
未熟者ですが、本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
本年は、下記、ご提供業務を3本の柱として明確に位置づけ、その質の向上に取り組んでまいりたいと考えています。
1.創業のお手伝い
開業率の向上は、国策においても、本年の重要課題のひとつとされています。私は中小企業診断士の一員、診断士とは、本来、こういった公共の課題解決に貢献することが、その重要なミッションのひとつであると考えていますし、また、私のこれまでの実務経験を十分活かすことができる分野であるとも、考えております。創業計画の策定支援&実行支援に、積極的に取り組んでまいりたいと思います。
創業計画策定支援は、単なる計画という文書づくりではなく、事業コンセプトの確立・明確化、ビジネスモデルのブラッシュアップも含みますし、その実行支援においては、必要であれば、たとえ限定的ではあっても、財務面のフォローにも踏み込みたいと思っています。
その過程で、該当する案件であれば、認定支援機関として、創業促進補助金等の公的支援施策の活用もお手伝いさせていただきます。尚、そのお手伝いは補助金申請代行業務ではなく、あくまでも、一連の創業支援のプロセスの中でのものとして位置づけられる案件のみとさせていただきます。
2.経営革新支援
ここでいう「経営革新」とは、国の施策にある「経営革新計画」に限定するものではなく、既存事業者による新規事業の立ち上げ、マーケティング力・組織力・財務力の向上等、広義のものです。
その過程においては、活用できる公的施策があれば、積極的に活用してまいりたいと考えております。これら、公的施策の浸透・活用支援も、診断士としての大切な仕事のひとつと考えているからです。尚、本年は、国の目玉施策として、商業・サービス業にまで対象が拡大された(という)「ものづくり補助金」があげられています。具体的内容は要項が発表されてみないとわからず、場合によっては、昨年の「小規模事業者活性化補助金」の様に、商業・サービス業にとっては非常に使いづらい、いえ、実質的にはほとんど使えない代物である恐れも否定はできませんが、もし、本当に商業・サービス業にとって使えるものであった場合は、創業補助金同様、積極的にお手伝いさせていただきます。尚、お手伝いを受託させていただく案件方針は、創業促進補助金と同様とさせていただきます。
3.経営改善計画・事業再生計画策定支援
認定支援機関の本来業務として、全力で取り組まさせていただきます。
これまで、リスケ等条件変更、ないしは、その継続にあたり、これら計画の策定を現実的に求められるケースは、どちらかというと債務額の大きいものが中心となっていた感があります。結果的に、どちらかというと設備投資等の関係もあり、借入総額が大きくなりがちな製造業が多く、中小・小規模事業者の比率の高い理美容サービス業等ライフスタイル型サービス業は、さほどではなかったというのが実態でしょう。
しかし、今後はこの状況は大きく変わってくることが確実な情勢、いえ、既に変化は進行中と感じています。きちんとした計画をたて、そして、確実に実行、かつ、成果を出していかなければ、退場せざるをえない場面も十分ありうるでしょう。
この経営改善計画・事業再生計画策定は、現在20,000近く認定されている「経営革新等支援機関(認定支援機関)」の本来業務のひとつなのですが、その20,000のうち、理美容サービス業をはじめとしたライフスタイル型ビジネスを主対象とし、また、現場での実務経験を裏付けとして活動している認定支援機関は、正直、全国的にも極めて少ないというのが実態ではないかと推測されます。全国には、美容室だけで23万、理容室だけで13万あります。これに、エステ等を加えると、その数は膨大、市場規模も巨大なものになっています。その巨大さと、この分野を主対象とした認定支援機関の数、とりわけ、計画策定時には事業部分の支援を担うことが期待されている中小企業診断士の数との極めて大きなアンバランスに対しては、10年以上にわたり、その業界の一員として現場で実務を経験してきた者としては、危機感すらおぼえるところです。私が一昨年、この認定支援機関制度がスタートして早期に認定支援機関となったのも、それ故です。
これら3本の柱の質の向上を図るため、下記ツールの積極的活用と、精度向上に取り組んでいきます(詳細省略)。
①繁盛店になるための魔法のクエスチョンシート
②同ヒアリングシート
③Business Model Canvas
④TCMMシート
⑤感動ストーリーテリング
これらに加えて、今年は、店舗スタッフ・組織活性化分野の具体的プログラムの整備・ご提供にも取り組んでまいりたいと考えております。具体的には、現在のところ、従来活用していた交流分析(TA)、それと、今後研究していきたいと考えているプレイバックシアターのエッセンスを取り入れた、スタッフ間コミュニケーションの向上を図るためのものをイメージしております。
今年一年、皆様の事業が繁昌なさいますよう・・・
それでは。。。
ブログの更新が2週間もあいてしまいました。。。
気にはなっていたのですが…ありがたいことに、猛烈に忙しくて。。。
結局、私としては、本日(24日)締切の第3回第二次募集分については、複数地区において11件、お手伝いさせてただきました。今回は、全て認定支援機関名は私となっています。
春の第1回募集分から通算すると、お手伝い件数は、他の認定支援機関(早い話が、私の元古巣)名でフォローさせていただいた2件も含め、21件となりました。
12月10日発表分までの10件は、全件ご採択いただいているわけですが、今回の11件は、仕上がりとしては、その10件と比較しても決して遜色ないものとは感じてはいますが、さてさてどうなることやら…。
まあ、採否にかかわらず、「やる!」わけですから、この11人の方々には、早速、淡々と計画したアクションをすすめていっていただきたいと願っています。
本日、平成26年度当初予算案が閣議決定されたそうで、25年補正予算分も含め、中小・小規模企業施策についても、まとめられています(くわしくはこちら)。
目玉となるのは、ニューもの補助、商業・サービス業も対象となっているとのことで、要項の発表が待たれるところですが、創業補助金に関しても引き続き予算組みされています。
ただし、その額は44億円と、今年分の4分の1近くに減額となっています。
募集回数を減らすのか、審査規準を厳しくするのか、はたまた、対象を絞るのか…
私としては、対象を絞ってくるのではないかな~と推測しています。
特に、今後創業を予定されている女性の方は、早めにご準備なされていた方が、いざ募集開始となった際、動きやすいかと思います。
その際は、どうぞ、私が過去書いてきた記事をご参考になさってください。
まず、そして、最も力を入れて明確にしていただきたいのが、「顧客価値」です。
「あなたならではの、新たな、お客様にとっての価値は何ですか?」
言い換えると…
「お客様は、なぜあなたの商品・サービスを買わなくちゃいけないのですか?」
に対する回答を、極力短文で表現できるようになるまで、磨いてください。
これができるまでは、事業計画もSWOT分析等のフレームワークも、頭の中から消してください(個人的には、そもそもSWOT分析からは、新たなビジネスが生まれることはほとんどない、極言かもしれませんが、創業や新事業を考えるにあたっては、SWOT分析はほとんど役に立たないと思っています)。
それが明らかになったら、次は、
「その顧客価値は、どういう仕組みで実現するのか」
を整理してください。で、その次は、
「なぜあなたに、それができるのですか?そのリソースは?」
「本当にその価値を価値として認識する人が、事業が成り立つほど、いらっしゃるのですか?そのエビデンスは?」
「では、お金の流れはどうなるんですか?」
とブレークダウンさせていってください。
で、その後に、事業計画フォーマットを見てください。
とても簡単、もう書けますよね(笑)
それでは!
昨日、採択者の発表がありました。
(具体的にはこちら)
おかげさまで、私が、事業計画の策定当初から、添付書類等も確認させていただいた上での提出までお手伝いさせていただいた6件(認定支援機関名私が4件、同金融機関が2件)は、すべて採択となりました。関係者の皆様、大変ありがとうございました。
採択となった皆々様、よかったですね♪
ただ、本当の勝負はこれから、ぜひ末永く事業を伸ばしていけるよう、今までにも増してのご精進、期待させていただきます。
採択率は予想はされていたことですが、前回までと比較してグンと落ちて53.8%だったそうです。個人的には、この採択率の数字は、分子よりも分母が影響しているのではないかと思っています。
採択数自体は1,715件と、前回と同水準です。分母である応募数がドンと増えている…。もちろん、それは、2回目募集終了から3回目第1次募集開始までの期間が空いたことも関係しているとは思いますが、案件の質的変化についても、何点か仮説が立てられます。あくまで仮説なので、詳細についてはここでは省かせていただきますが…。
今月24日締め切りの第2次募集分については、6件お手伝いしています。今回はすべて認定支援機関名が私となる予定です。既に3件は提出済、1件は完成済みで金融機関から覚書が到着次第提出、2件は今週中に完成、来週覚書締結の上、提出予定です。
申請を予定されている方のほとんどは、既に準備万端かとは思いますが、今一度、ご自分の計画が、「あなたならではの、新たな、(お客様にとっての)顧客価値」が明確となっているか、で、その価値がどういう仕組みで実現するのか、加えて、なぜあなたがそれをできるのか、わかりやすく、きちんと表現されているか、今一度見直してみることをおススメいたします。
では。
千里丘・豊中・箕面で4店舗、美容室を経営なさっている『air feel』さんのミッションストーリーです。
社内スタッフ用ですので、いつもより少し長めですが、内容からすると、そんな感じを受けません。
社長さんのお話を、何時間もかけてじっくり聞かせていただき、録音もして、テープおこしをし、物語の構成を練り、言葉を選び、紡ぎあげていきました。
その途中…不覚にも、何回も、グッとこみあげてくる感じがしました。
佐々木社長の想いが、静かに、それでも、力強く伝わってきます。
ぜひ一度、ご覧下さいませ。
あなたのお店にある想いも…物語にしてみませんか?
仕事柄、新事業のビジネスプラン、創業にあたってのビジネスプラン策定のお手伝いをさせていただく機会がとても多いです。サービス業系ベンチャー企業の経営企画担当役員としての10年間はもちろんのこと、それ以前のコンサルティング会社時代も、そして、今も・・・。特に最近は、例の創業補助金の関係もあって、その機会が多くなっています。
で・・・、その過程で、「ビジネスプランの策定or整理の進め方」自体についても、アドバイスを求められることがよくあります。
その時は、私が、新たなビジネスを予定していらっしゃるご本人様からご相談をいただいた際、どういうご質問を、どういう順番でさせていただいているかをご説明することにしています。
もちろん、ケースによって多少の違いはありますが、多くの場合、あまり時間的余裕もないことから、まず1回目の業務提供時、下記の様な質問とその回答をもとに、ビジネスプランの全体像を頭の中でイメージしてから、所定の書式なり、事業計画書として書き始めています。
Q1.その事業は、どんなことをする事業ですか?まず概要だけ、ごく簡潔に教えてください。
Q2.その事業は、どんなお客さんにとっての価値があるのですか?言い換えるなら、数ある他の商品・サービスの中から、あなたのその事業をお客さんはなぜ選ばなくてはいけないのですか?その理由を教えてください。
Q3.そう思っているお客さんは、どんなお客さんですか?できるだけ具体的に教えてください。
Q4.本当にお客さんはそう思っているのですか?その根拠を教えてください。
Q5.そもそも、あなたはなぜその価値をお客さんに提供しようと思ったのですか?
Q6.そのお客さんにとっての価値を、あなたはどうやって実現するのですか?ビジネスモデルのどの部分でとんがるのですか?
Q7.あなたはなぜ、その価値を提供できるのですか?根拠を教えてください。
Q8.現在、そして、将来どれぐらいの規模の事業をイメージしていますか?
Q9.どんなことがあっても、必ずやると誓えますか?
Q10.数値計画を組むにあたって、あれこれ教えてください(お金のことも含めて)。
ざっとこんな感じです。
もちろん、それぞれのQについて、更に細部をお聞きはしますが、ざっと整理するとこんな感じになります。
お気づきになった方もいらっしゃるかもしれませんが、この10個の質問の中には、よく言われる「外部環境分析」なるものは含まれていません。もちろん、全くやっていないわけでもなく、必要性を感じていないわけでもありませんが、よく言われる「外部環境分析をして、内部環境分析をして」・・・という、言ってみればSWOT分析から事業機会をというアプローチはいたしません。実務経験上、このアプローチで新たなビジネスアイデアは現実的に生まれづらいと実感しているからです。
経済・社会・業界の分析や、商圏・立地・競合に関する調査も大切なんでしょうが、多くの場合、それより、「その価値って、本当にお客さんにとっての価値なの?」をいかに実証するかにパワーを使ったほうが、より現実的と考えています。
ついでに言うと・・・経営理念に関しても、創業の方には、あまりあれこれお聞きしません。ただし、その事業に対する想いの強さと、その背景の把握を優先しています。そもそも、この時点で経営理念について議論している時間はあまりないことが多いですし、想いが強く、かつ、本物であれば、文章にするのはその後、時間をかけてやれると思っているからです。
それと・・・目の前に事業計画書や補助金申請書フォーマットを置いて、それにそって書き始めることはまずありません。
それをやると、記入欄個々を埋めることに注力することになりがちで、つながりがバラバラだったり、キレイだけど、なんか現実感・迫力に欠けるものが出来上がってしまう恐れがあると考えていることと、そもそも、多くのフォーマット類は、感性勝負の理美容サービス業は無論のこと、新しいビジネスを創造する起業家の右脳の感性も表現しづらく、フォーマットにこだわると、その大事な感性が消えてしまいかねないと考えているからです。最初にお聞きするときは、できるだけ、相談者さんの頭の中にある絵としてのイメージを再現していただくこともやったりします(この点、自分の未熟を感じる時が多々あります)。
「ビジネスプラン全体のうち、どこらへんをとんがらせるか、メリハリは?」といったことを意識しながら、まず全体像をばく~っとですがイメージします。
案外ですね・・・Q2でご回答に窮する方、少なくないです・・・。お答えいただけたとしても、その内容が、他でもよく言われている一般的なものだったり、曖昧だったり・・・。
その場合は・・・少なくとも、それは「準備以前の問題では?」とお話したりします。
で・・・時には、不快な表情をなさる方も・・・(笑)
この場をお借りしてお詫びいたします。
あくまでも、私の進め方です。
もし、ご参考になるようでしたら幸いです。
今回の内容は、「私が理美容等サービス業を主対象としているから」ととられるかもしれませんが・・・
私は、少なくとも、一般消費者を対象としたビジネスをなさる方々、とりわけ、中小・小規模事業者さんのうちで、8割~9割の方々の経営改善・経営革新にとっての、最大の直接的障害は、「モノの呪縛」だと考えています。
ここでいうモノとは、物質的モノだけではなく、サービス商品というモノも含んでいます。
お客さんが買っているのは、「モノ・サービス」ではなく、一時よく言われた「コト」でもなく、その後に注目された「経験価値」ですらなく、今は、「その商品を(orそのお店で)買うことの意義・意味とか、価値観」であるということを、ストンとおなかに落とすことができるか、これが最大のポイントであると考えています。
モノはもちろん大切です。いいモノであることの大切さを軽視するものでは決してありません。
モノにこだわりをこめることは、とても大切なことだと思います。
ただし、とらわれてはいけない。
私は飲食業専門ではないのですが、飲食業での比喩がとてもわかりやすいので、よく使わせてもらっているのですが、「昔は胃袋で食べ、その後の時代は舌で食べ、今は頭で食べ、そして、ハートで味わう」…そんな感じ(さるエライ方がおっしゃった言葉に、「そして・・・」以降、私の感覚を加えました)。
中小・小規模事業者が、その“価値観”の世界でポジショニングできない場合は、オンリーワンなど夢のまた夢、せいぜい差別化程度(しかも、消費者にとっては大差ない)、時には、血みどろの価格競争が待ち受けていることも多いと…。
ところで、その「モノの呪縛」に、最もガンジガラメになっているのは… たぶん、お上じゃないかな~と。
中小・小規模事業支援施策をたくさんご用意いただくのはありがたいことなのですが、それらの施策の内容を見ていると・・・、そう感じることが、よくあります。やっぱり、 店舗サービス業界の人間としての、ヒガミでしょうか(笑)
今回はちょっとだけ哲学的ニオイのするお話、少しわかりづらかったかもしれませんが、おゆるしくださいませ(笑)。