経営企画室便り

あなたのお店を利用する理由が、お客様にはわからない Part 3

Part2からの続きです)
それでは、ストアコンセプト策定フローの各ステップについて、ご説明いたします。

1st Step “ならでは”の源泉を探りましょう
あなたのここまでのプロセスに埋もれている、“ならでは”の源泉、そして、あなたの活力の源泉を、探り出します。 単に、プロフィールをトレースするのではなく、ヒアリングシートも使いながら、「大事な時に、なぜその判断を下したのか?」、「なぜ、この商売を選んだのか?」、「この商売を通じて、何を実現したいのか?」等、価値観や感情に関連することにもアプローチし、現在の“あなた”を形作っているものを、あらためて再認識していただきます。 このステップは、「あらたな、あなたならではの『しあわせ価値』の提案」づくりには、最も重要なステップです。
2nd Step あなたのお店の価値を洗い出しましょう
「価値洗出しシート」を活用し、あなたのお店の価値要素を洗い出します。サービス・商品の便益や実績等、目に見えやすい「Benefit Value」だけではなく、お店での感動ストーリー、共感、楽しさといった情緒的・感情的な「Emotional Value」も、とても重要な価値として、きちんと洗い出すのがポイントです。
3rd Step  CVP(顧客価値命題)を明文化しましょう
ここまでで、「あらたな、あなたならではの『しあわせ価値』提案」づくりのネタは、明らかになりました。 いよいよ、このステップで、それらのネタをもとに、他店にはない、あなた、あなたのお店しか実現できないお客様の『しあわせ価値』(CVP:Customer Value Proposition-顧客価値命題)を明文化します。

(Part4に続きます…)

創業補助金採択事業が公表されています!

創業補助金第1回募集のうち、1日が締めだった第一次分の採択事業が発表になっています。
全国で応募が15件でうち13件が採択、大阪は…1件だけ、兵庫県はゼロでした。

興味深いのは、各案件の内容と、支援機関として捺印した金融機関名。大阪は…「ひがしん」さんです。かねてより、いろいろ積極的な動きをなさっていて、今回も「やはり」という感がしました。
この創業補助金でポイントとなるのは、地域金融機関の印です。
いろんな方のブログ等でこの補助金が紹介されていますが、中には、「創業補助金については認定支援機関の支援が必要です。当事務所は認定支援機関ですので、創業補助金についてはおまかせください」的な個人事務所の方も散見されるようですが、ポイントとなるのは、地域金融機関さんです。覚書は…認定支援機関と言えども、個人事務所とは、金融機関さんは簡単には締結なさらないと思います(もちろん例外はあるでしょうし、環境変化も今後あるでしょうが)。
認定支援機関の個人オフィスである私が言うのもおかしな話かもしれませんが…創業のご準備をなされている方で、この補助金への応募を検討なさっている方は、認定支援機関であるなしよりも、地域金融機関さんとの相談にあたって力が発揮できそうな方か、黒子として動いてくれる方かを、具体的相談先の第1条件として考えられた方がいいかなと、第1回募集への応募をお手伝いした経験上(ネイルケアサロン)、感じます。

第2回募集は、6月~7月と予測されていましたが、5月中に次回募集があるようです。となると…4月22日締め分の採択発表も、わりと早そうな気がします。 1件、具体的に準備のお手伝いをスタートしていますが…、これは急がねば! http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sogyo/2013/0430ChiikiKekka.htm

あなたのお店を利用する理由が、お客様にはわからない Part 2

Part1からは、少し間があいてしまいました…すいません。。。

日頃、仕事をさせていただく中で、実際、かなりの比率のケースが、「お客様がお店を利用する理由がわからない」、すなわち、ストアコンセプトが不明確、あるいは、ありふれたものとなっているが故に、本来の実力にふさわしい業績となっていないと感じています。
特に、創業時に、きちんとつめられていなくて、創業はしたものの…というケースの多いこと…(涙)
これから創業なさる方には、くれぐれも忘れないでいただきたいこと…それは、「もう先輩の、それまで勤務していたお店のやり方=多くの場合その業種の一般的やり方での創業は、逆にリスクを高くすることが少なくない」ということです。
技術的なことはさておき、こと、お店の経営という面においては、「ゼロベース、白紙の状態から、自分ならではのお店を作る」ということを肝に銘じていただきたいな~と、このところ、強く感じています。むしろ、「ご自分ならではの、あらたな、とんがった(でも、お客様にはわかりやすい)ストアコンセプト」ができない間は、創業はしない方がいい!」そう申し上げたいほどの、気持ちです。

 「じゃ、どうすればいいの?」って?
勉強しましょう(笑)。今は、いろんなところで創業塾も開催されていますし、勉強する機会はたくさんあります。
商圏調査をして、金融機関さんに創業資金の相談をして、ステキな内外装の設計をし、どの機器をどこから幾らで買うかを考え、スタッフの確保のメドをたて、勤務時代のお馴染さんに案内するだけでは、もう創業準備とは言えない時代ですので。

さて、それでは、そのストアコンセプトの策定フローですが… 参考までに、私がお手伝いする際のフローは、だいたい、以下の様な感じです。

1st Step “ならでは”の源泉を探りましょう
2nd Step あなたのお店の価値を洗い出しましょう
3rd Step  CVP(顧客価値命題)を明文化しましょう
4th Step アレンジを考えましょう
5th Step スケジュール化しましょう

ウ~ン、これだけではサッパリわかりませんね、すいません…(笑) 次回からは、それぞれの内容について、ご説明させていただきます。

創業補助金―続編

3月27日に、創業補助金について、お伝えしました。
第1回目の募集は4月22日が締め切りとなっていて、私がお手伝いしているネイリストさんも、この1回目の募集に応募します。

想定していたとおり、地域金融機関の捺印に、かなり難儀しました。
幸い、ある信組さんにご捺印いただくことになりましたが、もう創業目前なのにもかかわらず、金融機関さんの捺印がもらえず、やむなく次回に回さざるをえない方も、少なくない様に聞いています。

第2回目の募集(6月~7月?)では、金融機関さんの体制も整っていると思われ、おそらく、申請が殺到するのではないかと予想されます。
ただ、地域金融機関さんの体制が整っても、基本的には、地域金融機関さんにとっては創業融資はリスクが高いのであまり積極的ではない分野、きちんとした準備・対応が必要です。
事業計画の内容はもちろんのこと…、
募集要項にはない、実務上の勘所も…。

この補助金は、対象者も広く、対象経費も幅広いものがあります。
もともと「小さな企業未来会議」から出てきた補助金、理美容サービス業も大いに想定されています(もちろん、単なる美容室・理容室を創業しますというのは、独創性という点からするとつらいところですが)。

積極的にご活用ください。
ご相談・お問い合わせはお気軽に…。

☆当事務所へのご相談は、各種公的制度が使えます。
くわしくは、こちらを→公的支援制度ご紹介ページ

あなたのお店を利用する理由が、お客様にはわからない Part 1

だいぶ間があきましたが、「マーケティングはシンプルに考えましょう」の続編。

まず、ひとつ質問させてください。

あなたは何屋ですか?

「何、あたりまえのことを聞いてるんや、美容室(or理容室・エステサロン・リラクゼーションサロン・ネイルサロン等一般的業種名)に決まっているじゃないか!」

と、今思われた方…あなたのお店では、「数ある選択肢(お店・サービス・代替手段)がある中で、あえてあなたのお店を利用しなくてはならない理由」が曖昧になっている、あるいは、お客様に届いていない、結果として、あなたの実力からしたら、本来のあるべき繁盛水準になっていない、場合によっては、苦戦の大きな原因のひとつとなっている恐れが高いと思われます。

私も含めて、理美容サービス業関係者が、きちんと認識しておくべき、とても大切なことがあります。
それは、
「あらゆる理美容サービス・商品は、既にありふれたものになっている(コモディティ化している)」
ということです。
「いや、ウチのサービスは新しいから」とか、「特別だから」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、それらも含めて、「既にありふれたもの」、ひらたく言うと、「あなたのお店、商品・サービスがなくても、別に世の中は困らない、お客様は困らない」というのが現実、そして、そのことを、一旦はきちんと認識することが、まずなすべきことということです。

例えば仮に理容室なら、あなたのお店の他にも、理容室はたくさんあるのです。
別に、あなたのお店でなくても、他にたくさん選択肢はあるのです。今はあなたのお店の常連さんでも、その常連さんは、仮にあなたのお店がなくなっても、多少の不便・感じるところはあるかもしれませんが、別の散髪屋さんを捜して利用することで対応できるのです。
あなたのお店を利用しなくてはならない確固たる理由が、お客様の頭の中にあることが必要ということは、ご理解いただけると思います。

この理由ですが…
あなたのお店が、見込み客・お客様の頭の中で、「(一般的な)散髪屋」というカテゴリーの中のひとつであると判断されたら、あなたのお店は、極端な表現かもしれませんが、全国13万件の散髪屋さんと競争しなくてはならなくなります。少なくとも…かなりの数の散髪屋さんとの競合となってしまいます。価格面等、血みどろの戦いになる可能性は高いでしょうし、そもそも、情報があふれかえっている現代では、「(一般的な)散髪屋」と一度認識されると、あなたのお店の存在自身が、お客様の頭の中では「この世に存在しないモノ」と、今後も見事に消えるとなることでしょう。

必要なのは…お客様の頭の中に、「(一般的な)散髪屋」とは別のカテゴリーを生み出させ、その中に、あなたの存在を置くということです。多くの(特に小規模)サロンに必要なのは、「他店との違い」を強調する差別化より、「リポジショニング」です。
この点、お気づきになられていないサロンさんが非常に多いのではないかと、危惧しています。
ここでのキーワードは…「一見散髪屋、しかして、その実態は散髪屋ではない散髪屋」です。
「わけがわからない」という言葉が聞こえてきそうです。(笑)
大丈夫です、お話を進めていく中で、「な~んだ、そんなことか~」となります。

そして、そのリポジショニングの観点から、「お客様があなたのお店を利用する理由」を見直し、明らかにするのが、
「ストアコンセプトの見直し・明確化」です。

多くの場合、これが最も重要となっています。
「シンプルじゃない」って?
いえいえ、文章にすると難しそうですが、経験上、実際にやってみると「な~んだ、そんなことか~」となったりします(笑)

(Part2に続く…)

創業に補助金が出ます!

創業を予定している方に朗報です!
最大200万円の補助金が支給されます(かもしれません)!

平成24年度補正予算で創設された「地域需要創造型等起業・創業促進事業」がそれです。
http://www.smrj.go.jp/utility/offer/075939.html

対象事業は、「新たなビジネスモデル」ですので、一般的な従来型の理美容室、エステサロン等で創業される場合は対象にはならないでしょうが、この補助金ができた背景を考えると、従来の補助金や経営革新計画等の認定ほどの新規性は求められていないと思われます。
その背景とは、「生活シーンの中から生まれた発想で、規模も小さく、ともすると、ボランティア的になされていたサービスを事業化するケースを想定しての補助金である」ということです(近畿経済産業局主催の認定支援機関向け説明会にての説明)。

理美容サービス業は典型的な「生活シーンの中」での事業、生活者たる消費者のちょっとした潜在的ニーズをとらえ、あらたな発想での事業が生まれやすいという特徴があり、事実、過去もそうでしたし、あらゆる商品・サービスがコモディティ化した現在、そもそもそういった新たな発想自体が、創業者にも求められていると言えます。
だから…対象となりうる方は、非常に多いと思います。

この補助金、小規模の創業者にとって最大200万という金額もさることながら、補助対象経費の幅広さもとても魅力的です。
詳細は募集要綱http://cadcan.up.seesaa.net/image/1youkou.pdf(兵庫地区事務局の兵庫県中小企業診断士協会のもの)をご参照いただければと思いますが、人件費、店舗等の賃借料、パンフレットの印刷費やWEBサイトの制作費、さらには、弁護士・弁理士等専門家への顧問料すら対象としてあげられています。

ハードルとして考えられるのは…

1.これから開業届を出す方が対象
2.地域金融機関(地銀・第二地銀・信金・信組)からの外部借入が見込めること
3.認定支援機関たる金融機関又は金融機関と連携した認定支援機関による事業計画の策定から実行までの支援を受けることについて、確認書への記名・押印により、確認されること。

といったところかと思いますが、困難というほどのものではないと思われます。

具体的には、各都道府県ごとの事務局に問い合わせとなるのでしょうが、あくまでも私の個人的考えなのですが、これまで創業塾等を通じて地道に創業支援活動に取り組まれ、かつ、地域金融機関とも密接な関係を持たれていることが多い商工会議所さんに相談なさるのも、実務的には有効な方法かと感じます。
おそらく…上記3つのハードルのうち、最もややこしそうなのは、3となる可能性があります。この要件が入った背景には、「地域金融機関にコンサルティング機能の発揮を促す」というお上の意向があると思われますが、本来の業務が忙しい地域金融機関の方々に、事業計画の策定から実行支援までを担うのは、現実的にはなかなかに難しい面は正直ありそうな気がします。
となると、連携を覚書で締結している外部の認定支援機関の助力を得るということになりますが、金融機関としては、やはりそれなりの機関でないと、連携はしづらいところかと思います。
そうなると…絶好のポジションにあるのは、商工会議所さんとなりえるのではと思われます。

もちろん、商工会議所さんといっても地区によって違ってくるでしょうが、窓口相談だけでなく専門家派遣制度等を通じ、積極的に支援活動をなさっている会議所さんであれば、やりやすいのではないでしょうか。

いずれにしろ、非常に魅力的な補助金です。
募集は今後複数回あるとのことですし、予算額も大きいので(ということは、対象事業者は多いということ)、今後、目を離せない制度と思います。

私としましても、この補助金を通じた創業者の皆様のお手伝いには、認定支援機関として、積極的に取り組んでいきたいと思っていますので、今後も、関連情報は折に触れ、お伝えしていきたく思っています。

マーケティングはシンプルに考えましょう

マーケティングという言葉の定義をどうとらえるかの議論はここでは抜きにして…
単純に、皆さんのお店が繁盛するための概念だとすると、「ウチの店、もっと繁盛してもいいはずなんだけど…」と感じる場合は、以下の3つの原因が考えられます。

1.あなたのお店を利用する理由が、お客様にはわからない
2.お客様のファン化に向けてのプログラムが機能していない
3.お客様がとても不満足(技術・接客が水準以下、早い話が下手)

スタッフが複数の場合は、これに

4.ドラマ人間模様が演じられている

が加わって、4つになります。
すなわち、あなたがお店のマーケティングを考える場合は、この4つを再点検し、構築しなおせばいいということになりますし、実際、私もそうしています。
このうち、3についてはそもそもマーケティング以前の問題であり本来なら外すべきでしょうが、ごくごく稀にありうるケースなので、あえてあげましたが、私の経験上、滅多にお目にかかることはありませんので、現実的には、1,2,4の3つとなります。

とてもシンプルでしょ?

次回からは、この1,2,4のそれぞれについて、ご説明いたします。
(途中、別のテーマの記事を書くこともありえますので、ご了承くださいませ)。

では!

公的支援策を使いましょう

行政関係や商工会議所さん等の公的支援機関では、たくさんの中小企業支援メニューが実施されています。
ただ、こういった機関の担当者さん方からお聞きすると、どの機関でも、理・美容店、エステサロン、リラクゼーションサロンといった理美容サービス業の方の利用は、他業種に比較して、極端に少ないとのことです。
原因としては、色々なことが考えられると思いますが…

①事業者さん側が、そういったところで支援を受けられるということをご存知でない。
②そういった機関は、製造業や小売店や飲食店の方向けで、理美容サービス業は対象外と誤解している。
③支援を担当する人が、理美容サービス業の課題を解決できるイメージがわかない。
④理美容サービス業は特別と思っている(事業者側も支援機関側も)
⑤支援担当者側に、理美容サービス業に対する苦手意識がある?
⑥確かな技術と、真心をこめたおもてなし・接客さえあれば繁盛するし、それは、お堅い公的機関の役割ではないと、事業者側が思いこんでいる。
⑦技術を教えてくれた師匠の教えがある、長くこの業界で修行してきたので、自信がある。
⑧業界のことをよく知らない人に、この業界の支援ができるわけはないと思っている(事業者側が)。
⑨「借金を抱えてまで、店(特にこの業界の)を経営したことのない人に何がわかる」と思っている。

といったところでしょうか…。
確かに、上記の様なことは、私もこの業界の経営企画担当役員だった頃、感じないわけではありませんでした。
特に、②⑤⑧⑨について…。

ただ、これらのことがあったとしても、それを差し引いても、はるかにあまりある恩恵を受けたということも、自信を持って言えます。
それに、客観的にみて、むしろ一般産業界より医療機関に近いと思われる整骨院の方々が、たくさん支援メニューを受けておられることからも、理美容サービス業にとって有効でないとは、決して言えないと思います。

実に、勿体ないことです。

理容業界も、美容業界も、エステ業界も、リラクゼーション業界も、誰がどう見ても既に成熟産業、いえ、むしろ、市場規模は縮小していっていると考えていいですので、従来の業界の常識に依存度が高すぎる経営は、かなりリスキーと言えます。
その中で、こういった公的支援機関等の支援メニューをうまく使えるかどうかは、今後、小規模事業者が非常に多い理美容サービス業の経営を大きく左右する要因のひとつとなることでしょう。

私もこれまでいくつかの公的支援機関に登録し、その制度を使って業務のご提供をさせていただいてきましたが、4月1日以降は、登録機関数を増やします。
具体的内容については、4月1日以降、あらためてご案内しますが、今のうちから、ぜひ制度活用をご検討ください。

1.中小企業庁:認定経営革新等支援機関 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/index.htm
2.大阪産業創造館「あきないえーど」登録専門家(4月1日~) http://www.sansokan.jp/akinai/consult/
3.ひょうご産業活性化センター登録専門家(4月1日~) http://web.hyogo-iic.ne.jp/jigyo/page_585.html
4.神戸市産業振興財団登録専門家(4月1日~) http://www.kobe-ipc.or.jp/management_support/specialist/
5.滋賀県産業支援プラザ登録専門家(4月1日~) http://www.shigaplaza.or.jp/senmon/
6.大阪商工会議所エキスパートバンク http://www.osaka.cci.or.jp/Jigyou/expert/example.html
7.吹田商工会議所登録専門家 http://www.suita.cci.or.jp/
8.尼崎商工会議所登録サムライ http://www.amacci.or.jp/samurai/
☆近畿経済産業局の中小企業ネットワーク強化支援事業については、終了となりました。上記1に関する新制度が後継制度とされています。詳細がわかり次第、お伝えいたします。
☆大阪府経営力アップ事業については、終了となりました。H25年度以降は、各商工会・商工会議所を通じた支援の強化を図る方針ともお聞きしています。

経営者意識って…

これをお読みいただいている方の中には、多店舗・複数店舗展開なさっている経営者の方、幹部・店長の方、スタッフの方もいらっしゃると思います。
その方々にご質問…社内でよく「経営者意識」という言葉が飛び交っていませんか?
私も、10年間、多店舗企業の経営企画担当役員の立場でしたので、よく、その言葉を使っていました。
特に、店長さん方に…。

社長さんは幹部・店長に経営者意識を持ってもらいたいと、熱く語ります。
幹部・店長さん方も、それは大切とわかってはいるのですが、どうもピンとこない…。
まあ、ピンとこなくても、例えば独立する等して、いざ自分が小さいながらも経営当事者となったら、否が応でも思い知らされるのですが、それでは企業としては成り立たない。
よくあるケースかと思います。
ということで、のれん分けをはじめ諸制度の整備や、店長会等折に触れての力説でなんとかと頑張るのですが…、なかなか簡単にはいかなかったり…。
恥ずかしながら、私も決してうまくやれたとは思ってもいませんし、事実、試行錯誤の毎日でしたし、正直、今も「これ!」というベストな方法をオススメするほどの自信は、まだありません。

ただ、少なくとも、「そもそも経営者意識とは?」の定義は、社長さんと幹部・店長さん方の間で共有化しておくことは必須と思います。

これまでの、私の経験を通しての、今時点の解釈です。
経営者意識とは…

「右手にロマン、左手にソロバン、成功は他人のおかげ、失敗は自己責任」

つくづく、そう感じます。
もし、ご参考になるようでしたら、お使いください。。。

医療でも物語の力

知る人ぞ知ることですが…
私は、コンサルティングファームでの修行時代、病院を主体としたコンサルティング活動をしていました。1990年代後半のことです。
その時代、よく言われていた言葉に、「EBM(evidence based medicine)」というものがありました。
EBMとは「根拠(証拠)に基づく医療と訳され、数多くの確実な臨床試験で有効性の根拠がはっきりしている薬や治療法をいう。」(yahoo辞典)で、ある意味、論理を極める医療というニュアンスを感じていました。
私は、その数年間、たくさんの医療関係者の方々とお会いし、医療の世界における論理の大切さも実感しており、特にドクターについては、こと仕事に関しては、社会の中で最も論理的能力が要求され、かつ、それを有している方々と実感していましたので、EBMという考え方が広まっていくことについては、「そりゃ、そうだよね」と思っていました。

その後、大波小波を経て、今、運命に導かれる様に理美容サービス業を主対象として活動しているわけですが、先日、医療の世界では近年、EBMと並んで、NBM(narrative based medicine)というものが広まっていて、かつ、それに依った医療活動も多く行われていることを知りました。

NBMとは、「《物語に基づく医療、の意》。患者が語る病の体験を、医師が真摯に聞き、理解を深め、また対話を通して問題解決に向けた新しい物語を創り出すこと。医療の質の向上、治療の促進が期待される。」(大辞泉)です。
ちょうど、私も、これまでのいろんな経験の中から、経営のいろんな場面における「物語を語る(ストーリーテリング)」効果の高さを確信、自身の活動でも具体的、かつ、意識的に活用しはじめると共に、あらためて、その道の師にも学んでいるところだったことも影響してか、ちょっとした驚きを感じました。
「科学・論理が最重要視される(と私が感じていた)ドクターの間にすら、ある意味、論理とは対極とも言える感情的要素がタップリの“物語”の効果の高さが広まってきているのか」と…。

考えてみれば、これって、本当は自然な流れなんですよね。。。
医療も企業経営も、「人」が対象であり、「人」が主役ということは共通、特に、理美容サービス業はそうですよね。
そして、その「人」は、スタートレックのMr.スポックの様に論理だけで生きているわけではなく、むしろ、感情的な存在、であるなら、そこで有効な要素にも、共通点は多いはずですから…。

皆さんの会社、お店にも、語るべきストーリーはたくさんありますよ、間違いなく…。
それは、会社の、お店の、とても貴重なお宝、まさに知的資産です。。。

ところで…
Mr.スポックも、映画やTVの中では、論理だけの存在の様に描かれていますが、不思議なことに、観ている視聴者には、むしろ感情のある、とても人間くさい存在としても感じられますよね。
これも、「物語」の持つ力のひとつかもしれません。